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製造業の人手不足は特定技能で解決!「工業製品製造業分野」の業務範囲と採用メリット

「求人を出しても若い日本人が集まらない」「技能実習生の期間満了後の穴埋めが大変だ」「繁忙期の増産に対応できる人員が足りない」

日本のモノづくりを支える製造業の現場において、こうした人手不足の悩みは年々深刻さを増しています。その解決策の切り札として、今多くの企業が導入を進めているのが在留資格「特定技能」です。

これまでは、「素形材」「産業機械」「電気電子」と分かれていた区分が「工業用製品製造」に統合され、さらには区分が10に増加するなど、製造業における特定技能制度は、より使いやすく、より広範囲な業種で活用できるよう進化しています。

本記事では、最新の「工業製品製造業分野」の概要から、自社で任せられる具体的な業務範囲、採用のメリット、そして現場での注意点までをわかりやすく紐解きます。制度を正しく理解し、貴社の生産体制を盤石にするための第一歩としてお役立てください。

特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」とは?

特定技能「工業製品製造業分野」とは、製造現場において一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。特定技能は国内の人手不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人材を確保するために創設されました。

以前は「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の「製造3分野」として個別に運用されていましたが、現在はこれらが統合され、「工業製品製造業分野」という一つの大きな枠組みになっています。

この統合により、例えば「機械加工」のスキルを持つ人材が、産業機械の製造現場だけでなく、自動車部品(素形材)の製造現場でも活躍できるようになるなど、企業にとっては人員配置の柔軟性が高まり、より幅広い人材採用ができるようになりました。

対象となる業務区分と職種一覧(最新版)

「自社の業務は特定技能の対象になるのか?」とお考えの経営者様も多いでしょう。

現在、工業製品製造業分野では、以下の10の業務区分が設定されています。特に2024年の改正により、紙器や印刷、繊維関連などの業務が新たに追加された点は要注目です。

① 従来の3分野から引き継がれた区分(3区分)

これまでの「製造3分野」に含まれていた主要な加工・組立て業務です。

  • 機械金属加工(機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、鋳造、ダイカスト、溶接、塗装 など)
  • 電気電子機器組立て(電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造 など)
  • 金属表面処理(めっき、アルミニウム陽極酸化処理)

② 2024年に追加された区分(7区分)

制度改正により、新たに以下の業務でも受け入れが可能となりました。

  • 紙器・段ボール箱製造
  • コンクリート製品製造
  • 陶磁器製品製造
  • 紡織製品製造
  • 縫製
  • RPF製造(再生固形燃料の製造)
  • 印刷・製本

※なお、「飲食料品製造業」は別の特定技能分野として独立していますのでご注意ください。

※各区分の詳細な該当性については、「日本標準産業分類」に基づいた確認が必要です。

特定技能「製造業」の受け入れ要件

特定技能人材を採用するためには、外国人材本人と受け入れ企業(貴社)、それぞれが要件を満たす必要があります。

外国人材側の要件

現場で即戦力として働くため、以下の2つの試験に合格していることが条件です。

  1. 技能試験:「製造分野特定技能1号評価試験」
  2. 日本語試験:「日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」

ただし、「技能実習2号」を良好に修了した人材であれば、これらの試験は免除され、そのまま特定技能1号へ移行することが可能です。技能実習生からの切り替えが多いのはこのためです。

受入れ企業側の要件

製造業特有の要件として、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会が必須となります。また、現在「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」に入会済の事業所も、改めてJAIMへの入会が必要となります。
JAIMは、2025年4月に設立された法人で、工業製品製造業分野における特定技能外国人の「適正かつ円滑な受け入れ」を目的とした組織です。
入会には審査があり、申請から入会完了まで2~3か月程度かかります。年会費も発生します。JAIMの詳細についてはこちらをご覧ください。

製造業で特定技能外国人を受け入れるメリット

1. 現場の即戦力を確保できる

特定技能人材は、試験合格者または3年間の実習経験者(技能実習2号修了者)です。基本的な業務知識やコミュニケーション能力が一定レベルで担保されており、入社後すぐに現場で活躍できる即戦力として期待できます。ゼロから育成する時間とコストを大幅に削減できる点は大きな魅力です。

2. 繁閑に合わせた柔軟な配置が可能

技能実習制度では、実習計画に基づいた作業しか行えませんでしたが、特定技能では同一の業務区分内であれば、配置転換が可能です。

例えば、「機械金属加工」の区分で採用した人材に、午前中は溶接、午後は塗装を手伝ってもらうといった柔軟な働き方を依頼できます(※従事可能な関連業務の範囲内に限ります)。

3. 長期雇用・キャリアアップの道(特定技能2号)

特定技能1号の在留期間は通算5年が上限ですが、試験に合格して「特定技能2号」へ移行すれば、在留期間の上限はなくなり、更新を続けることで事実上の永住も可能になります。

これまでは製造業の一部でのみ認められていた2号ですが、現在は工業製品製造業分野全体で2号への移行が可能となりました。2号になれば家族(配偶者・子)の帯同も認められるため、熟練した技能を持つリーダー候補として、将来にわたり貴社の現場を支える存在になり得ます。

製造業で特定技能人材を受け入れる際の注意点

特定技能制度を活用する際、製造業の現場だからこそ特に注意すべきポイントがあります。トラブルを未然に防ぐために、以下の2点は必ず押さえておきましょう。

1. 労働災害防止と安全教育の徹底

製造現場には、プレス機や切削機械など、操作を誤ると重大な事故につながる設備が多くあります。

特定技能人材は一定の日本語能力を持っていますが、緊急時の指示や専門的な安全用語(「指差呼称」「ヒヤリハット」など)までは即座に理解できない場合があります。

  • マニュアルの多言語化: 作業手順書や安全掲示板を母国語併記にする。
  • 「見てわかる」工夫: イラストや写真を多用した掲示物を作成する。
  • 実地教育: 座学だけでなく、現場で実際の機械を見ながら危険箇所を教える。

これらを徹底し、労働災害のリスクを最小限に抑える体制づくりが不可欠です。

2. 転職(人材流出)リスクへの対策

技能実習生とは異なり、特定技能外国人は同一の分野内であれば他社への転職が可能です。

「せっかく仕事を教えたのに、賃金の高い別の工場へ転職されてしまった」という事態を防ぐためには、日本人従業員と同等以上の適切な待遇設定はもちろん、働きやすい職場環境の整備が重要です。

  • 給与水準の見直し
  • 日本人スタッフとの交流促進(孤立させない)
  • キャリアパスの提示

これらを意識し、「この会社で長く働きたい」と思ってもらえる関係性を築くことが、採用戦略の要となります。

採用後の定着支援とフォローアップ

採用はゴールではなくスタートです。特定技能人材に長く活躍してもらうためには、採用後のフォローアップが非常に重要です。

生活支援とメンタルケアの実施

特定技能人材(1号)を受け入れる企業には、生活オリエンテーションや公的手続きの補助など、法律で定められた支援を行う義務があります。

特に製造業の工場は郊外にあるケースも多く、通勤手段の確保や近隣住民とのルール確認(ゴミ出しなど)といった生活面のサポートが、安定就労の土台となります。また、定期的な面談を行い、仕事や生活の悩みを早期に解消するメンタルケアも定着率向上に直結します。

「特定技能2号」を見据えた育成サポート

特定技能1号の在留期間は通算5年ですが、試験に合格して「特定技能2号」へ移行すれば、期間の上限なく雇用を継続できます。

企業としても、熟練した技術を持つリーダー候補を育成できるメリットは計り知れません。

  • 日本語学習の支援: 安全管理やチーム連携のためにも、継続的な学習を促す。
  • 技能試験対策: 2号移行に必要な技能試験の受験費用補助や、技術指導を行う。

このように将来のキャリアマップを共有し、共に成長していく姿勢を見せることが、強力なエンゲージメントを生みます。

採用までの流れと支援体制

  1. JAIMへの加入:前述の一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)のサイトから手続きを行います。
  2. 求人募集・面接:国内外の人材紹介会社などを通じて募集を行います。
  3. 支援計画の策定:入国前のガイダンスや住居の確保など、生活面での支援計画を立てます。
  4. 雇用契約の締結:日本人と同等以上の給与水準など、法令を遵守した契約を結びます。
  5. 在留資格申請:出入国在留管理庁へ申請を行い、許可が下りれば就業開始です。

これらの手続きや入社後の支援(義務)は多岐にわたるため、多くの企業様が国から認定を受けた「登録支援機関」に業務を委託し、負担を軽減しています。

まとめ

特定技能「工業製品製造業分野」は、業務範囲の拡大と制度の柔軟化により、製造業の人手不足を解消する強力な手段となっています。

「即戦力が欲しい」「長く働いてほしい」「繁忙期に対応できる柔軟性が欲しい」とお考えの経営者様は、ぜひ特定技能の活用をご検討ください。

制度の詳細は複雑な部分もございます。「自社のこの作業は対象になるのか?」「コストはどれくらいかかるのか?」など、ご不明な点がございましたら、まずは専門家にご相談することをお勧めします。

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